vol.118

学習指導要領改訂に期待する
一般社団法人全国図書教材協議会会長
佐野金吾

 学習指導要領の改訂はほぼ10年ごとに行われているが、昨年11月中央教育審議会において次期の改訂に向けた審議が始まった。今回の諮問で注目すべきは「教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価の在り方を一体として捉えた、新しい時代にふさわしい学習指導要領等の基本的な考え方」とある点である。これまでの学習指導要領では指導方法や学習評価にまで踏み込んだ内容構成とはなっていないので、この点に関する改善が行われれば学校現場等での活用面に新たな展開が期待できる。また、「アクティブ・ラーニング」という指導方法についての検討を求めているが、「アクティブ・ラーニング」とは課題の発見と解決に向けて児童生徒が主体的・協働的に学ぶ学習活動≠ニいった文脈で捉えられ、授業の在り方に大きな影響を与えるキーワードと言える。

 現行学習指導要領においても「生きる力」を育むため知識・技能の習得と思考力、判断力、表現力の育成のバランス、児童生徒の主体的に学習に取り組む態度の育成の重視を求めている。しかし、学校現場では我が国の伝統的な授業観である教師主導型の授業が未だに主流である。このことの背景として教師が自らの力量を高めるゆとりがもてない職場環境に置かれていることやテスト結果を学力と捉える風潮などがあげられる。

 次期学習指導要領の改訂に向けては学習指導要領が単に教師などの学校関係者だけでなく誰でもが容易に読み、活用できる内容構成と表現の工夫についても審議されることを期待したい。

 児童生徒の教育には学校関係者ばかりでなく保護者や地域の方々の理解と協力が重要である。多くの方々によって学習指導要領が日常的に活用されるようになれば、教育活動、特に各教科等の授業のアクティブな変貌を期待できる。

〜図書教材新報vol.118(平成27年2月発行)巻頭言より〜