vol.142

学びの在り方の見直しと図書教材
一般社団法人全国図書教材協議会会長
佐野 金吾

 学習指導要領の改訂に向けた中央教育審議会答申が行われた。これによると次期学習指導要領においても学校教育における「生きる力」の育成は踏襲することを明示している。しかし、学習指導要領の示し方についてはこれまでのように「何を教えるか」という観点を中心としたものから「学びの意義」や育むべき資質・能力について具体的に読み取れるよう改め、さらに、学校関係者のみならず広く社会から受け入れられるよう枠組みの見直しを求めている。

 各教科等の図書教材の在り方については次期学習指導要領の告示を待たなければならないが、子供たちの「学びの在り方」に関する答申の指摘は、これからの図書教材の在り方に深くかかわっていると思われるので留意したい。

 学校教育を通して育まれるべき資質・能力については学校教育法第30条に規定されているが、答申では各教科等の目標や内容に絡めて資質・能力を三つの柱として整理している。この三つの柱に基づいた授業を展開するには、従前のように教師主導型の授業では難しい。各教科等の授業では、児童生徒が自主的・積極的に学習活動にかかわる新たな「学びの在り方」に向けた取り組みが必要となる。

 各教科等の授業における主たる教材としての教科書は、次期学習指導要領によって作成されるが、これまでの内容・構成からは大きく変化することが想定できる。それは児童生徒が学習活動に積極的に関与できる学習環境としての教科書である。私たちがかかわっている図書教材も児童生徒の学びの環境を充実させるために資質・能力の三つの柱に基づいたものとすることが必然である。

 教材の作成にかかわる方々は、すでに次期学習指導要領を見据えて研究開発に取り組んでいると思われるが、販売店の皆さん方には答申によって新しく展開される学校教育や教材の在り方についての研鑽を積まれることを期待している。

〜図書教材新報vol.142(平成29年2月発行)巻頭言より〜