vol.148

「社会に開かれた教育課程」と全図協
一般社団法人全国図書教材協議会会長
佐野 金吾

  次期学習指導要領が告示され、移行措置案も示された。全図協としては義務教育諸学校の教育活動に深く関わっていることから学習指導要領の改訂には適切な対応が求められる。

 新学習指導要領には「前文」が置かれ、学習指導要領の学校教育における位置付けを明確にしている。「前文」には「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し」とあって、子供たちが変化の激しい社会を生き抜くために必要とする資質・能力の育成には、学校と社会との連携・協働が重要であることから新学習指導要領の理念を「社会に開かれた教育課程」とした。

 学校と地域との連携については「地域に開かれた学校経営」として平成元年版学習指導要領から実践されているが、人工知能の発展など社会の構造的な変化の中ではこれまで以上に学校と社会との連携・協働が重要となる。すでに全図協としては文部科学省主管の「土曜学習応援団」の登録団体として各協会がそれぞれの地域性を生かした活動をしているが、これからは、新学習指導要領の理念を踏まえて連携・協働まで踏み込んだ取組みが期待される。そのためには学校と直接に関わっている各販売店の一人一人が新学習指導要領の趣旨等を理解した上での活動が必要となる。例えば、中教審答申で指摘している学校教育の諸課題の一つである「伝統や文化の尊重」に学校が取組むには、地域の教育資源や学習環境の活用が必須となる。その際、学校にとって頼りになるのが学校のことも地域のことも十分に理解し、地域に関する多様な情報を豊富に持っている販売店の皆さんである。学習指導要領の改訂を機として、全図協と学校との連携・協働に向けた具体的な実践・活動を期待している。

〜図書教材新報vol.148(平成29年8月発行)巻頭言より〜