vol.152

新学習指導要領説明会に出席して(雑感A)
一般社団法人日本図書教材協会監事
二宮 皓

  雑感その2(「その1」は、第146号に掲載)は、新学習指導要領に基づき、能力・資質(コンピテンシー)を育成する授業の開発に貢献できる新教科書・図書教材を開発し、若い世代で力量が必ずしも高くない教師を助けることのできるようになってほしいという期待である。

 授業づくりは教師の努めであるが、新学習指導要領の解説によると、若い世代の教師が半数を占める学校もあるほど世代交代が進み、これまで日本の学校で培われてきたアクティブラーニングや深い学び、あるいは人間性を高める授業づくりが難しくなっているので、そこを教科書や図書教材の創意工夫で補ってほしい、というメッセージに聞こえたのは私ひとりであろうか。

 教科書・教材採択・選定の基準の一つが、編集者・製作者の創意工夫により、若い、経験の乏しい教師でも高度な深い授業を行えるかどうかとなりそうである。もちろんそうした具体の表現が教科書検定基準にあからさまに書き込まれることはない。各都道府県教育委員会が準備する教科書採択のための基礎資料(採択の対象となる教科書を各観点から分析し、選定委員会等の参考(指針)とする)には、観点の一つとして必ず「主体的・対話的学び、深い学び及び人間性を育成する観点」があるものと想定している。アクティブラーニングを促し、経験の少ない教師を支援する教科書や図書教材、新たな教授学習過程を通じて資質・能力を確かに伸ばすことができるよう創意工夫された教科書や図書教材への期待があるものと思う。

 ちなみに2017年9月下旬に、ポルトガルで開催されたIARTEM(国際教科書・教育メディア学会)でも、キー・コンピテンシーを育成できる教科書・教材研究が若手研究者の間で始まっていることを実感したところである。

〜図書教材新報vol.152(平成29年12月発行)巻頭言より〜