vol.153

学校経営に参画する事務職員
一般社団法人日本図書教材協会会長
菱村 幸彦

  学校の事務職員の位置づけが変わったことをご存知だろうか。昨年、学校教育法が改正され、学校の事務職員の職務が「事務に従事する」から「事務をつかさどる」に改められた。一見、たいした違いがないように思われるかも知れないが、法律的には大きな違いがある。

 学校の職員の職務権限については、校長をはじめ、教諭、養護教諭、栄養教諭など、各自の職務について「つかさどる」と規定されているが、事務職員のみ「従事する」と規定されていた。このため、事務職員は、学校経営に参画しない存在と誤解されがちであった。

 しかし、学校における事務職員の役割は大きい。事務職員は、文書の収受保管、予算決算の管理、給与・旅費の支給、施設設備の保全、福利厚生の実施、就学援助の手続き――等々、学校運営事務について専門性を有する重要な職員である。

 教育委員会によっては、以前から事務職員を学校の組織マネジメントを効率的・効果的に行うための経営職員と位置づけ、総務や財務等に関する事務以外に、地域連携や学校評価、危機管理等に参画させる事例も少なくない。

 今回、事務職員の職務権限を「従事する」から「つかさどる」に改めたことによって、事務職員は、その専門性を生かし、より広い視点に立って、校長を経営面からサポートする役割を持つことを明確にしたわけである。

 もう一つ、事務職員の位置づけの改正と同時に、地方教育行政法の改正により、学校事務の共同化が法制化された。これは2以上の学校の事務を共同処理するため、いずれか一つの学校に共同学校事務室を置くことができるとする制度改正である。

 複数の学校の事務職員が協働して学校事務を処理することにより、より専門性と効率性が高まり、かつ、事務職員が連携協働する中で、人材育成の役割を果たすことが期待されている。

〜図書教材新報vol.153(平成30年1月発行)巻頭言より〜