vol.156

英語指導にもニモニクスを
一般社団法人日本図書教材協会理事
星槎大学特任教授
新井 郁男

 本図書教材新報Vol.144(2017・4・25)において、英語を母国語として、あるいは母国語同様に使う国が多くあるが、表現・発音は必ずしも同じではないことなどについて述べたが、今回は、教科横断的にニモニクスを教えたり考えたりすることの重要性について指摘したい。

 ニモニクスというのはmnemonics すなわち「あることについての記憶を助ける言葉、文章、歌など」のことである。日本語ではこれに相当する用語はないが、歴史上重要な年号を関連する表現で記憶するためのニモニクスは多くある。受験勉強ではこの方式でさまざまなことを覚えたことが思い出されるが、実は、英語でもニモニクスは結構多いようである。

 例えば、イギリスの子どもたちは、虹の色の順序を、Richard Of York Gave Battle In Vain. という言葉で覚えるそうである。頭文字は、red(赤)、orange(オレンジ色)、 yellow(黄色)、 green(緑)、 blue(青)、 indigo(藍)、 violet(紫)を想起させる文字となっている。また、太陽の惑星(planets)を太陽に近い順序で覚えるために、My Very Easy Method: Just Set Up Nine Planets とか、My Very Easy Method: Just Say, Understood Now という言葉もある。これは、Mercury(水星)、Venus(金星)、Earth(地球)、 Mars(火星)、 Jupiter(木星)、Saturn(土星)、 Uranus(天王星)、 Neptune(海王星)を覚えるニモニクスである。

 ぜひ、こうしたことを英語の授業においてだけでなく教科横断的に指導したり考えたりするようにしてほしいものである。以上に挙げた例は、あくまでも英米などで流布しているニモニクスであるが、日本では日本の文化なども視野において創作することも重要ではないだろうか。

 ニモニクスを多く習得した者はテストの成績が高いとも言われている。

〜図書教材新報vol.156(平成30年4月発行)巻頭言より〜