vol.158

明日の革新的学習ストラテジー(上)
一般社団法人日本図書教材協会監事
二宮 皓

 ビッグデータを解析することで最新教育革新等の情報を提供するビジネスが展開しつつある。その一つにケンタッキー州の元公立学校教師T.へイク氏が起業したTeachThoughtがある。同社の「現在間違いなく存在している教育革新であるが、必ずしも大きなインパクトをいまだ与えていない革新」という興味深い分析結果(10の学びの革新的学習ストラテジー)を紹介する(紙幅の関係で@〜Cは省略)。

 D 計算論的思考(computational thinking)――計算論的思考は問題解決の強力なアプローチであり、大きな問題を小さなそれに分割する(問題の分解)、これまでの解決パターンと照らし合わせる(パターンの発見)、重要な要素だけを抜き出す(抽象化)、解決に導くための手順を開発する(手順化)思考方式で、生徒に問題を構造化し、解決方法を見つけることを教える。

 E 為すことで学ぶ科学(遠隔実験室で)(learning by doing science with remote labs)――真正の科学的ツールや実践に従事することで科学的探究スキルを育成したり、概念理解を改善したり、モチベーションを高めたりすることができる。たとえば遠隔操作実験制御(ロボットなど)は、教室に居ながらにしてインターネットを通じて操作する。教科書で学ぶよりはるかに生徒の参画を容易にする。

 F 身体的学習(embodied learning)――学習において心と身体が同時に働くなかで身体的フィードバックや行為が学びを強化するという考え方。人の身体的生物学的データを集めるウエアラブルセンサー技術、動作や動きを追跡できる可視化システムやモバイル機器などの技術がこうした学びの解明を促している。

〜図書教材新報vol.158(平成30年6月発行)巻頭言より〜