vol.159

デジタル教科書の法制化
一般社団法人日本図書教材協会会長
菱村 幸彦

 さる5月25日、国会で学校教育法の一部改正法案が可決・成立し、デジタル教科書が法制化された。デジタル教科書が正式に学校で使用されるのは、新学習指導要領が全面実施される2020年度からである。

 法制化のポイントは、次の2点である。

 第1は、教科書の使用義務。学校教育法34条は、学校における教科書の使用義務を定めている。同条に規定する教科書は、紙の教科書を意味しているので、デジタル教科書について、紙の教科書と同等に使用義務の履行とみなす法的措置が必要となる。

 そこで、改正法は、新たに34条2項を設け、検定済教科書と同一の内容をデジタル化した教材がある場合、「教育課程の一部において、教科用図書に代えて当該教材を使用することができる」と規定した。

 この規定は、?デジタル教科書は、検定教科書と同一の内容をデジタル化したものであること、?デジタル教科書の使用を「教育課程の一部」に限ることを定めている。となると、今後とも紙の教科書の重要性は変わらない。

 デジタル教科書をどのように導入・使用するかは、教育委員会が定めることとなるが、デジタル教科書は、教科書無償の対象となっていないので、保護者負担の問題が生ずる。

 第2は、視覚障害者等の特例。改正法は、視覚障害者や発達障害者等がデジタル教科書を使用する場合は、「教育課程の全部又は一部において」紙の教科書に代えてデジタル教科書を使用することができると規定している(34条3項)。つまり、視覚障害等の場合は、デジタル教科書の全面的使用も認めているわけだ。

 デジタル教科書は、検定教科書の内容と同一とはいえ、動画などのデジタル教材と一体的に使用することが可能である。となると、デジタル教科書の導入は、図書教材の在り方にも影響を及ぼすことは避けられない。

〜図書教材新報vol.159(平成30年7月発行)巻頭言より〜