vol.161

『授業と教材』(第5版)の刊行について
一般社団法人日本図書教材協会副会長
川野辺 敏

 すでにお手元に配布されていることと思うが、学習指導要領の改訂に合わせて、標記の資料を作成した。思い起せば、この表題の資料を作成して、もう、30年近くの歳月が経過している。指導要領改訂の年次や在庫数などを勘案して、改訂を繰り返してきたことになる。当初の目的は、教員養成大学の授業に「教材」が含まれていないため、新任の先生方の研修を前提とし、全国教育研究所連盟の参加機関を中心に配布してきたものである。毎年数千部が新任教員の手元に届いたことになる。

 今回の改訂では、新たな視点での編集を行った。つまり、当初の目的と同時に、教材を扱う販売担当者を視野に入れての改訂作業である。講習会でのテキストとして活用するというより、教員や教育関係者あるいは父母等と直接接触する際の基礎的知識・教養として、「自己学習」を通して理解できる資料を目指したのである。具体的には、(1)本文はできるだけ簡潔に述べ、それと関連した<参考資料=図解中心>に工夫を凝らした、(2)利用者に是非記憶しておいて頂きたい内容を再確認・整理できるような<要約やメモ欄>をできるだけ多く設けた、(3)新規の分野で、一般の人びとには理解しにくいと思われる「ICT及びデジタル教材」などを詳しく解説した―などを上げることができる。

 編集を進めながら、冊子は読んでもらい、理解し、活用してもらえなければ意味がないことを思い起した。「利用者の目線に立つ」という当然のことではあるが、つい編集者側の視点での姿勢が抜け切れない。編集を仕事とされる皆さんには当然のことではあろうが、この機会を通じ、編集の基本を改めて自己学習させて頂いたのである。

〜図書教材新報vol.161(平成30年9月発行)巻頭言より〜