vol.164

明日の革新的学習ストラテジー(下)
一般社団法人日本図書教材協会監事
二宮 皓

(6月号より続く)

G 適応教育(adaptive teaching)――学習者はそれぞれ異なっているという事実がありながら、多くの教材や提示物はすべての子どもに「同じ」であるという現実がある。これが学習の問題を増幅し、学習課題への取り組みを難しくしている元凶である。この問題を解決しようとするのが適応教育である。この方法論は、学習者の過去と現在の学びのデータを収集し、教育内容をパーソナライズ(個性化)した学びの方途(道)を解明するものである。それぞれの学習者について、いつ教科書を読み、いつコンピューターを活用する学習(指導)を展開すればいいのかなどの各自の学び(指導)の過程や内容をデザインすることができる。

H 情動分析(analytics of emotions)――目の動きを自動追跡する装置、顔認識ソフトなどは、生徒の学びの流れの分析に活用できる。認知的側面のみならず情動的側面も記録・分析できる。認知的側面では、たとえば質問に回答したかどうか、どのような説明をしているかなどの分析を行う。他方で非認知的側面では、欲求不満、混乱、あるいは散漫であるかどうかを測定する。認知的側面はコンピューターが、情動的側面は教師が担うことで授業がより生徒に責任あるものとなりうる。

I ステルス(内密の)評価(stealth assessment)――デジタル環境がより進むと、生徒の学習活動に従事している際に、背後で自動的データ収集が行われる。それを「控えめな」評価として活用できる。こうしたステルス型情報収集・評価を学びに活用するという革新的な戦略である。

(出典:https://www.teachthought.com/the-future-of-learning/10-innovative-learning-strategies-for-modern-pedagogy/)

〜図書教材新報vol.164(平成30年12月発行)巻頭言より〜