vol.180

教材とは
一般社団法人日本図書教材協会理事
星槎大学特任教授
新井 郁男

教材の定義は多様である。教材の項目がある事典-辞典の定義を例示すると、以下のように一様ではない。

○「陶冶財と言う。教授の材料たる文化財。」(篠原助市著『教育辞典』)

○「学習対象であると同時に教授手段である。学習(教授)内容を習得するために子どもにはたらきかける学習対象のうち、目的にかなった学習が生起するように意識的に工夫された教授手段としての学習対象。」(寺崎昌男・平原春好編『教育小事典』)

○「教育目的達成の必要に応じ、子どもや青年に習得させるために選択された文化的素材をいう。」(大田堯他編『教育小辞典』)

○「学習指導上の素材。一定の定義はなく、広い意味では、各教科における具体的な指導内容、あるいは教科書、付属資料などを指す。広い意味では、いわゆる教具(教育用具)を含む。」(辰野千壽編『学習指導用語事典』)

○「授業において教師の授業活動と児童・生徒の学習活動との間を媒介し、教授・学習活動の成立に役立つ材料のすべてを一般に教材と呼ぶ。」(今野喜清・新井郁男・児島邦宏編『学校教育辞典』)

教材に当たる英語としては、teaching materi- alsとinstructional materialsがあるが、International Dictionary of Educationでは、前者については、「Materials devised for use in teaching a particular course or subject(特定の科目または教科の指導において活用するために考案された素材)」、後者については、「General term for audio-visual aids or printed texts which assist teaching or learning(教育または学習を補助する視聴覚器具または印刷されたテキスト)」と説明されている。

以上に例示したように教材の定義は一様ではないが、新学習指導要領の趣旨に照らして、改めて検討することも重要ではないだろうか。

〜図書教材新報vol.180(令和2年4月発行)巻頭言より〜