vol.181

長期休業から学校再開への対応
一般社団法人全国図書教材協議会相談役事
佐野 金吾

新型コロナウイルスの感染対策として緊急事態宣言が発出され、全国の多くの小・中・高校などでは長期にわたって休業日が続いている。児童生徒がこれ程長期間登校できない状況に置かれていることは、全く経験のない事態といえる。特に新学期、多くの子供たちは新しい友達との出会いや仲間との学校生活を楽しみにしていたことを思うと、その心中いかばかりか計り知れない。とりわけ小学校低学年の心身への負担は大きい。高学年や中学・高校生はインターネットでコミュニケーションをとるなど子供なりの工夫をすることができる。しかし、低学年ではそれもできずに家庭で保護者とともに過ごすことになり、ストレスは溜まる一方である。NHKでは子供を対象にした放送に工夫を加えているが、それを子供たちは受け入れるだけであるため、すぐに飽きてしまうようである。

また、これほど長期にわたる学校の休業は児童生徒の学習の遅れへの対応が大きな課題となる。自治体によってはオンラインによって家庭での学習支援に取組んでいるようだが、それを受け入れるネット環境が十分ではない家庭が多いようである。また、学校によっては学習課題のプリント類を郵送したり、家庭訪問等をしたりするなどして家庭での学習習慣を途切れないように取組んでいる。さらに新年度用の教科書を郵送したり、教員が配付したりして、教科書の内容に従った学習課題を課している学校もある。しかし、こうした学校側の努力による学習支援であっても、学校での学びの代替とはならない。長期の休業明けの子供たちを学校がどう受け止めるか、これまでにない教育課程の運営上の工夫が必要となる。学校関係者のご苦労に心よりねぎらいの言葉をかけたい。

〜図書教材新報vol.181(令和2年5月発行)巻頭言より〜