vol.187

エストニアの奇跡―学力欧州トップ
一般社団法人日本図書教材協会監事
広島大学名誉教授
二宮 皓

OECDの2018年度国際学力調査(PISA)で、読解力・数学・科学の三部門でいずれも欧州域内でトップの成績を上げたことは世界の驚きであった。

フィンランドが学力世界一となった背景には、すぐれた教員養成システム(修士レベルの教員)と優れた教員、読書習慣、個性を尊重する柔軟な授業スタイルなどがあり、各国の教育関係者のフィンランド詣でが続いた。

エストニア(人口約130万人、1991年旧ソ連から独立回復、バルト3国の一つ)がトップに躍り出た背景には何があるか、エストニア政府(教育・研究大臣)が自らその背景や要因を語る必要に迫られるほど、驚きをもって受け止められた。

R.マイリス大臣はインタビューに答えて、「PISAの優れた成果は、変化の激しい世界の中で教育政策において的確な選択を行ってきたことの証左である。今やエストニアが教育立国として認知されたことを誇りに思う」と述べ、「デジタル教育ソリューション」こそがその要因であると誇らしく述べた。各国のマスメディアも「デジタル学校」こそが、と称賛している。教育における「スマート・ソリューション」として、デジタル教科書、e−ラーニング教材、デジタル授業日誌、デジタル評価などがある。「クラウドの中の学校」は、子どものランドセルも軽くした。

エストニアは、シンガポール・モデル、フィンランド・モデルに加えて、「デジタル学校」という全く新たな21世紀モデルを提示した。徹底して国民のデジタル・リテラシー育成をすすめ、デジタル人材を世界から集め、多様なソリューションを提案する(Skypeもエストニア発)デジタル政府・産業・社会を構築し、今まさにデジタル化による果実を享受してる。

注) Net Groupのブログ(2019年4月12日)“Digital education solutions help Estonia to become #1 PISA rankings in Europe,”より一部転載。https://www.netgroup.com/blog/

〜図書教材新報vol.187(令和2年11月発行)巻頭言より〜