vol.99

家庭学習の充実を図る授業と宿題
一般社団法人全国図書教材協議会会長
佐野金吾

 児童生徒一人ひとりに確かな学力を育むには授業が重要な役割を担っている。中でも教科書の記述内容と関連させ図書教材をどう活用するか、教材活用に関する教師の力量が問われる。

 昨年の秋に実施した全図協会員によるアンケート調査によると、ワークブックやバラプリントは授業と宿題とに活用されている割合の多いことが読みとれる。授業中は知識・技能の習得の状況を確認したり、習熟度を高めたりするために活用していると思われる。

 さて課題は宿題としての活用の仕方である。多くの教師は、宿題を授業で習得した知識・技能の習熟をねらいとして課している。しかし、確かな学力を身に付けさせるには児童生徒の主体的な学習態度を育むことが重要である。授業の学習活動の再確認のための宿題では、子どもたちは意欲的に取り組まない。

 習熟の程度を高めるための学習活動として宿題を課することは必要ではあるが、宿題を主体的な学習態度を育むきっかけや授業の改善工夫に活用できないだろうか。例えば、授業の組立の工夫として「わかりましたね!」といって終えるのではなく、「今日は〜の勉強をしてきたが、○○については、どう考えたらいいのだろうか」と次の授業への課題を投げかけ、課題に対応した宿題を課するのである。

 子どもたちの家庭生活では、テレビゲームや携帯電話などが大きな位置を占め、学習習慣を育んだり主体的な学習を促したりする環境とはなっていない。宿題は子どもにとって義務的な学習課題にすぎない。

 図書教材は様々な学習活動を想定して作成されているのであるから、それをどう活用するかについては教師に任されている。

 会員の皆さんが学校訪問された折、授業と宿題との関わりを話題にされ、教師とのコミュニケーションを深める手立てとしてみてはいかがでしょうか。

〜図書教材新報vol.99(平成25年7月発行)巻頭言より〜