全中・メールマガジン(第62号)
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【目次】

〔1〕全中関連の取り組み
  ・中学校営業部長会協議報告

〔2〕出版社営業部長からの寄稿(第4回)
  「けれども自尊心だけは持っています。 ドグラ・マグラ」学宝社

〔3〕全図協からのお知らせ
  ・文科省「デジタル教科書推進ワーキンググループ第3回」での発表
  ・教材士研修制度・基礎コース講座の開講について
  ・図書教材新報
  ・図書教材新報・教材活用シリーズ
  ・会員販売店向け各種制度

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〔1〕全中関連の取り組み

◆◆全図協通常総会報告◆◆

中学校営業部長会では、10月8日に部長会を開きました。
主な報告は以下の通りです。

【報告1】製販合同「みらいの学びプロジェクト」
〇各ブロックと営業部長会との意見交換会
10月25日に予定している近畿ブロックとの意見交換会の進め方について確認しました。
当日は出版社・販売店別にグループに分かれて、ワークシート(マンダラチャート)を作成して、意見交換していくことを確認しました。
そのほか、来年度は東北ブロック(7月)、九州ブロック(10月)での開催を予定しています。

【報告2】全中会議への要望事項
全中との協議会に向けて、以下の事項を全中へ要望していきます。
①受注段階での学校への注文内容の確認 ※前回6月時と同様
②直送時の学校指定場所への搬入対応 ※前回6月時と同様
③各協会総会およびブロック会議における担当出版社への出席要請について、出版社の夏季休暇日や他協会・他ブロック会議の開催日と重複しないよう日程調整をお願いしたい
④各協会総会への担当出版社の出席要請の理由や役割の明確化

【報告3】学校からの希望品販売の要請への対応
デジタル教材の導入の影響もあり、小学校で学校から図書教材の希望品販売の要請の事例がありました。
それを受けて一斉採用の重要性について、協会としての共通指針を製販で共有し、また、協会ホームページでも発信していく予定です。
今後は引き続き出版社営業・編集部長、全小全中を中心に意見集約していきます。

※全中目安箱への回答は、お休みさせていただきます。何卒ご了承ください。
回答スケジュールや回答方法の見直しも含めて、製販合同の全中目安箱運営委員会で再度協議していきます。

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〔2〕出版社営業部長からの寄稿(第4回・学宝社)

<けれども自尊心だけは持っています。 ドグラ・マグラ> 
学宝社・高橋政和営業部長

某SNSで「全てに犭(けものへん)をつけたい夜だ」という文を見かけた。

犭、つまりけものへんなのだが、けものへんを伴なう字として、頭にまず浮かんだのは「くるう」という言葉だった。
おかしな事の多いご時世だからと指で空に「くるう」を書こうとするのだが何とこれが書けない。
調べるとすぐに「狂う」である事は分かるのだが、こんな簡単な言葉ですら書けなくなっていた自分に愕然とする。

「王がけものになると狂うだよ」などと小学生時分に覚えた気もするのだが、一度身につけた知識を失っている事に気付かされる瞬間はいつでも怖い。

どうも最近、調子が狂っている。

漢字ドリルですらデジタル化しつつある昨今だが、このまま我々まで流されてしまって本当に良いのだろうか。

ICTによる教育全てを否定するものでは無いが、やはりICTの役どころは習得のためではなく、身につけた知識を活用するための道具に留めるべきでは無いのだろうか。

更に言うならば、ICTは生徒に向けたコンテンツよりは教師に向けたコンテンツに特化した方がリスクも少なく、有益なソリューションとして世に受け入れられるのではないだろうか。
コスト以前に教育の危険性からもそのように感じる。

最近耳を疑ったのは、教育のICT化の目的は学習効果ではなく、学習データの簡便な蓄積にあるというお話。
紙より便利なので。
何が一番大事なのかを見失っている。

また、最近よく聞かれるニーズとして「使うかどうかは分からないけど、生徒のタブレットを活用できると言えるようなコンテンツ」というものがあり、これは言ってる当事者もどこかおかしいとは思っているはず。
が、これが続けばそのうち誰も疑問にも思わなくなるだろう。それが怖い。
本当の意味で狂ってしまう気がする。

学習指導要領は本当によくできた日本の教育を支える柱である事に間違いはない。
 
現行学習指導要領そのものの評価とは、膨大な実証データを基にした新旧指導要領の比較の中でなされるべきなのだが、新旧指導要領の切り替えのタイミングでタブレットという壮大なノイズを同時に掛け合わせてしまった事で、現在の学力低下の要因が何かという理由がとても見えにくくなってしまったように感じる。
※個人の見解です。

学習指導要領を正せば良いのか、タブレットを見直せば良いのか?
多分、そのうち責任の押し付け合いが始まる。
※個人の見解です。

要因が分からない(とされる)ので、今後もこの学力低下は続き、恐らく止める事が出来ない。体感では無い、世論を伴なった何らかの大きなエビデンスを得なければ、文科省も動けないだろう。

その文科省も困惑を隠さなくなってきた。

実証データの基になるのは恐らく、多忙な教員に次々と課される中央から届くアンケートになるのだろうが、誰が書いたか明白な、通り一遍のアンケートからでは太鼓持ち的な返答が主となり、信頼性の高いデータとなりえないのではないか。
表立って国の施策を批判できる公務員がそう多くいるとは思えない。

一方、現場の先生方の本音を一番聞いているのは教育委員会や文科省よりも、全国の代理店の皆様なのだから、もっと文科省はこの直販網を頼りにするべきだとずっと以前から思っている。
最近になっていよいよ、協会を通じて、現場の先生の本音を集めてほしいと言うような声(打診?)も微か~に聞こえてくる。
正式オファーとなる日も近いのでは?

もしそのような機会を得られれば、自己都合に振り回されて、恣意的な返答をするわけにはいかない。
せっかくの機会にいっぺんに信用を失いかねない。

例:
「教材は紙が良いに決まってると先生みんな言ってますよ」
だけでは恐らくダメで。

その時が来れば落としどころを伴なった、説得力のある返答をする必要がある。我々図書教材業界は自己の利益のみを優先する団体ではなく、本当に教育の未来を憂いている信頼のおけるパートナーなのですよ、と文科省に強く認識させたい。
その前提が作れれば、ゲームチェンジの目も出てくる。

我々にしか用意できないエビデンスを添えて(何だろう?)、「教員の働き方改革・効率化に関するICT化は大好評」「習得のためのICTは、紙も含めた選択肢に留めるべき」「現場はDXの強制に本当に辟易・疲弊している」くらいの返答が、落としどころとしては良いのではないだろうか。

くれぐれも、たとえばの話、最近調子の狂った私の表情から、こいつは「ほれ見た事か」と思っている、などとあらぬ誤解を受けないように……。
皆様は大丈夫だと思いますが。

喫緊の課題も多い中、ピントの狂った話で大変恐縮です。
乱文失礼しました。
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〔3〕全図協からのお知らせ

◇◇文科省「デジタル教科書推進ワーキンググループ第3回」での発表◇◇
11月21日に開かれた当会議にて、日図協・全図協を代表して渡部竜士専務理事より発表を行いました。
発表資料は下記よりご覧いただけます。
《発表資料:【資料2】渡部氏プレゼン資料》

◇◇教材士研修制度・基礎コース講座の開講について◇◇
今年度も教材士研修制度・基礎コース講座を開講しました。受講期間は来年3月末までです。
受講希望の方は下記からお申し込みいただけます。
《教材士研修制度・基礎コース講座》

◇◇図書教材新報◇◇
日図協では、図書教材新報第235号を発行しました。
下記からご覧いただけます。
《図書教材新報》

◇◇図書教材新報・教材活用シリーズ◇◇
図書教材新報に掲載している教材活用シリーズを
協会ホームページトップ画面よりご覧いただけます。
また、こちらより必要に応じてプリントアウトの上、学校等に配布してご活用ください。
《教材活用シリーズ》

◇◇会員販売店向け各種制度◇◇
日図協・全図協では、会員販売店向けにさまざまな事業を行っております。
下記よりそれぞれご案内、お申し込みに関することがご覧いただけます。

《総合補償制度》
搬入時の学校内での対人・対物事故や現金盗難補償
《グループ生命共済制度》
従業者の事故による入院や障害、死亡保障
《福利厚生制度》
従業者の福利厚生の充実をご検討の方へ

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