vol.251教育実習指導者の専門性とは

第37期学校教材調査会理科専門委員
東京学芸大学先端教育人材育成推進機構教授
宮内 卓也

 学生対象の教育実習事後アンケートを読むと、多くの学生が教育実習をきっかけに教職の意義や魅力に気づいていることがわかります。一方、教職の重責や多忙さ、自身の課題に直面し、葛藤する様子もうかがわれます。教育実習が学生に与えるインパクトがきわめて大きいことを実感します。
 本学では「教育実習指導者の専門性~豊かな省察の手がかりのために~」と題した教育実習指導者の資質・能力に関わる指標を作成し、Web上に公開しました。教員の資質・能力に関わる指標はさまざまな場面で見かけることがありますが、教育実習指導者に関わる具体的な指標は見あたりませんでした。ときどき、「名選手、名コーチにあらず」という言葉を耳にすることがありますが、教育実習においても、教員(名選手)の資質・能力に加えて、教育実習指導者(名コーチ)の資質・能力が存在するのではないかと考えています。
 この指標は教育実習指導を担当される先生方の省察の視点として活用いただくことを願って作成されたもので、教育実習指導者の個々の資質・能力を評価することを意図したものではありません。作成にあたっては、識者によるトップダウンではなく、全国で教育実習指導に奮闘されている先生方の声を集め、指導者による指導者のための指標を目指しました。検索いただき、ご覧いただけたら幸いです。
 学校現場の先生方におかれましては、本来の勤務に加え、学生への教育実習指導にご尽力いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。その営みが後進の育成に大きく寄与しているものと感じています。
教育実習の経験をきっかけとしながら、より多くの有為な人材が学校現場に向けて巣立っくれることを期待しています。

~図書教材新報vol.251(令和8年3月発行)巻頭言より~

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