第37期学校教材調査会英語科専門委員
東京家政大学人文学部教授
太田 洋
時代の要請に沿って求められるものが変わる中、これからの英語の学校用教材のポイントを三点述べたいと思います。
第一に、活用できるための例文を載せることです。教科書のターゲットセンテンスについて形や意味と共に、どのような場面や機能で使われるのかがわかる豊富な例文が必要です。「こういう場面で使うんだ」と思わせる例文を載せることが、活用への第一歩になります。例文は使う姿を想像させるものであってほしいと思います。
第二に、分散学習を支えることです。英語の学習には導入後の繰り返しが大切です。導入された単元のみで繰り返すより、間隔を空けて繰り返す分散学習が効果的です。ところが、それを授業で先生が計画することは簡単ではありません。そこで学校用教材の出番です。様々な文を間隔を空けて繰り返すことができる教材は、先生を大きく助ける存在になります。中学校では、小学校で習ってきたことを繰り返すことが大切であり、その橋渡しを学校用教材が担う意義は大きいと感じます。
第三に、単元末の活動を行うための手助けをすることです。単元末の活動に向けて、そこまでの授業をどう組み立てていくかに、先生方は苦戦しています。どのページに戻るのか、既習事項をどう使うのか、モデルをどう与えるのかなど、先生が多様な生徒を相手に、授業で組み立てるのは容易ではありません。単元末の活動への道筋を具体的に示し、先生の役割を補う学校用教材が、これから一層求められるのではないでしょうか。
このように、これからの学校用教材には、学習の活用を促し、繰り返しを支え、活動への見通しを与える役割が求められます。授業の現場で本当に役立つ教材とは、先生をサポートし、生徒の学びを確かに前へ進める教材です。
~図書教材新報vol.252(令和8年4月発行)巻頭言より~
