全図協・メールマガジン(第10号)2026.10.2
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【目次】
〔1〕会長からのメッセージ
〔2〕全図協活動報告と今後の予定
<活動報告その1>
・初等中等教育における教育データの利活用を支えるシステム間連携の在り方に関する専門家会議
・全附P連PTA研修会 第17回全国大会
・通常総会
・協会長会議
<活動報告その2>
・次期学習指導要領の動向と教材業界への影響(2026年10月更新)
<今後の予定>
・加盟出版社 営業部長会開催
・各ブロック会議開催
〔3〕業界動向ピックアップ
・文部科学省「ミラメク」note 教科書へのデジタル活用で広がる『新しい学びのカタチ』
・教育課程企画特別部会 次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)
・令和8年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【都道府県別】
〔4〕お知らせ
・教材士研修制度開講のご案内
・会員販売店向け各種制度のご案内
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〔1〕会長からのメッセージ
今号では、総会を終えて新しい期になりましたので、細谷会長より全国の会員の皆様へ向けたメッセージをいただきました。
例年であれば10月初旬に花開く金木犀の花が2週間近くも早くその香りを街中に漂わせています。
ここ数年秋が感じられなかった日本列島は、停滞し続ける秋雨前線の影響か、この数日、急激に秋めいてきました。会員の皆さんはつつがなくお過ごしでしょうか。
中央教育審議会での次期学習指導要領改訂に向けての作業も大詰めを迎え、先日は「審議のまとめ(案)」が公表されました。
いよいよ改訂の具体的な全貌が明らかとなり関係する会員の方はその対応が始まっているかもしれません。
今回改訂の柱の一つに「多様性の包摂にかかわる課題への対応」があります。その件で、最近興味あるデータを見ました。
学校(高校)数の推移です。文部科学省の調査では、2019年から23年までの公立高校の廃校数が計213に対し私立はほぼ増減がありません。
この数字には、全日制高校の廃校と通信制高校の増設という私立校の必死の経営戦略が隠されているのです。
私立の通信制高の校数は25年時点で251校。その4割近くが3つ以上の都道府県から生徒を募集する広域通信制高となっています。
少子化の一方で増え続ける不登校生徒や多様な教育ニーズに応えるための広い受け皿づくり、つまり「多様性の包摂にかかわる課題への対応」を私立校は持続可能な戦略として考えているのです。
私たちの業界ではどうでしょうか。
社会は少子化の波に目を向けがちですが、一方で不登校をはじめ、様々な障害や認知特性、外国人、特定分野に特異な才能のある子どもたち、さらに経済的に厳しい環境にある子どもなど、子どもたちの多様性は過去と比較して格段に増しており、様々な指導上の課題が山積みになっています。
今後は、多様性を包摂し、子ども一人一人の悩みや不安を受け止め、意欲を高め可能性を開花させる教材のさらなる開発に本業界の持続可能性を見出していきたいものです。
全国図書教材協議会会長 細谷美明
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〔2〕全図協活動報告と今後の予定
<活動報告その1>
・9月18日 初等中等教育における教育データの利活用を支えるシステム間連携の在り方に関する専門家会議
初等中等教育における教育データの利活用を支えるシステム間連携の在り方に関する専門家会議の第1回が開催され、委員を務める全図協の渡部竜士専務理事が出席しました。
当日は、「初等中等教育におけるシステム間連携のための相互運用標準モデル(令和8年度版)」の検討・改訂方針や、相互運用標準モデルの適合性評価等の検討方針について意見交換が行われました。
文科省からは、今年度の取組として次の4点が示されました。
①相互運用標準モデルの改訂
②適合性評価の仕組みの検討
③相互運用標準モデルの普及促進
④学習eポータル・校務支援システム・ツールズそれぞれの事業者を交えた意見交換会の開催
渡部専務理事は、本会議での議論の前提として、「教師がより指導しやすく、子どもたちの豊かな学びのための学習環境をつくる」という目的を共有するよう求めました。あわせて、次期学習指導要領の審議まとめ(案)を引用し、システム間連携の検討を通じて、教師が主体的に教材を選び、子どもたちが紙・デジタルを問わず多様な教材を活用できる環境を作っていくことが重要だと伝えました。また、学習ツールと校務支援システム等の直接連携についても、技術・運用の両面から公平・公正な在り方を検討する必要があると指摘しました。
教科書と教材の適切なデジタル連携を含め、システム間の連携は業界にとって重要な論点です。協会では今後、文科省の教育DX推進室や教科書課等を訪問し、意見交換を進めていく予定です。
・9月25日 全附P連PTA研修会 第17回全国大会
全国国立大学附属学校PTA連合会(全附P連)主催の「PTA研修会 第17回全国大会」がパシフィコ横浜で開催され、全図協の細谷会長と渡部専務理事が出席しました。
全附P連は、全国の国立大学附属学校のPTAで構成する連合会です。本大会は、そのPTA会員(保護者と教職員)を主な対象とした研修会で、当日は講演やシンポジウムが行われました。
全図協では、教材の価値や役割を学校関係者だけでなく保護者や社会に広く理解していただく取り組みの一環として、PTA団体との連携を進めています。保護者は、家庭で子どもの学びを支え、教材の費用も負担する立場にあります。保護者負担軽減の議論が進む中、保護者の皆さまの声を直接うかがい、教材が子どもたちの学びにどう役立っているかを理解していただくことは、ますます重要になっています。
・9月28日 通常総会
第21回通常総会を開催し、48協会と11出版社から計78名の皆様にご出席をいただきました。
当日は、2025年度事業報告並びに収支決算報告(本会計及び全国災害復興支援制度関係特別会計)の承認、2026年度事業計画案並びに収支予算案(本予算案及び全国災害復興支援制度関係特別予算案)の承認をいただきました。
また、役員改選を行い、新たに理事・監事が選任されました。
詳細につきましては次号にて掲載する予定です。
・9月29日 協会長会議
第1部では、渡部専務理事を講師として、「教育行政の動向とこれからの私たちの取り組み ~次期学習指導要領の方向性を中心に~」をテーマに講演会を行いました。
次期学習指導要領の検討状況や教材・評価の在り方に関する最新の動向について共有し、今後の取り組みの方向性を確認しました。
第2部では、「CBTの現状と課題、 これからの在り方を見据える」をテーマに分科会を実施しました。
全国学力・学習状況調査における CBT 実施が進む中で EdTech 企業による CBT (デジタルテスト)推進の動きが強まることを踏まえ、私たちの提供する単元テスト採用をどのように維持していくか、また今後どのような取り組みが必要となるかについて、事前にご回答いただいたワークシートの内容を踏まえて、各グループで検討いただきました。
最後には、各グループより検討内容を発表いただき、課題認識と今後の方向性を共有しました。
なお、第1部の講演会を教材士特別講座として会員の皆様に視聴できるように援用しますので、以下URLよりご覧ください。
全図協協会長会議
2026年9月29日
演題「教育行政の動向とこれからの私たちの取り組み」
講師:全図協・渡部竜士専務理事
URL:https://nit.or.jp/archive/
視聴期限:2026年11月30日まで
その他の活動報告はこちら:図書教材新報リンク
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<活動報告その2>
次期学習指導要領の動向と教材業界への影響(2026年10月更新)
文責:日図協・全図協事務局長 渡部竜士/2026年10月2日
9月25日、中教審で「審議まとめ(案)」が示されました。9月29日の協会長会議でお話しした内容をもとに、前号以降の動きをお伝えします。
●次期学習指導要領関連スケジュール
・2026年10月中:審議まとめ、パブリックコメント
・2026年内めど:中教審答申
・2027年3月末めど:改訂・告示
・2027~29年度:教科書の著作・編集、検定、採択
・2030年度:小学校で全面実施(中学校は2031年度、高校は順次)
●改訂の背景
現行学習指導要領の理念は、現場で十分に実践されているとは言えません。そこで次期改訂では、その理念を「現場で使える、分かりやすいもの」にすることが狙いとされています。
一人一台端末を前提とした初めての改訂でもあります。PISA2025で見えた学習意欲の低さや、不登校・特別支援・外国にルーツを持つ子どもなど、子どもたちの多様化も背景にあります。
●最大のポイント:「多様な教材の活用」が明記された
審議まとめ(案)の基本的な考え方には、「興味・関心が広がる教材・学習方法の選択を促進」と「紙・デジタルの双方を含む多様な教材の活用を推進」が明記されました。
一律の教材を自治体単位でトップダウンに使わせるような方針は、この国の方針とは異なるものです。私たちにとって大きな追い風です。
●教材業界に関わる主な変化
【変化①】授業時数の弾力化と教科書の精選
・調整授業時数制度:標準総授業時数を増やさずに各教科の時数を一定範囲で調整し、生み出した時間を他教科や「裁量的な時間」に充てる制度です。全面実施に先立ち、2028年度から全国で実施できるようになる予定です。すでに「教育課程柔軟化サキドリ研究校」約400校で始まっていて、今年度末には事例集が公表されます。
・教科書の精選:教科書の分量は減る方向です。あわせて、教科書を「網羅的に教える」授業から、「教科書で教える」授業への転換が示されています。精選で生まれる「余白」では「多様な教材活用」が掲げられていて、教材の役割は大きくなります。
・注意点:教科書の単元を扱わなかったり、順番を入れ替えたりする授業が増えれば、準拠教材のあり方に影響します。また、自治体が国の意向を忖度して、時数の調整という手段が目的化することも懸念されます。
→皆さまへお願い:担当地域にサキドリ研究校があれば、取り組みの様子や教材採用への影響を出版社と共有してください。
【変化②】情報教育の本格導入
・小学校:「総合的な学習の時間」は「総合的な探究の時間」に名称が変わり、「情報の領域」が新設されます(2028年度から先行実施)。
・中学校:新教科「情報・技術科」が創設されます(2029年度から段階的に先行実施)。
・時数は、各教科等から3~4%程度を「広く薄く」減らして確保する見込みです。教材需要がどの程度生まれるか、早めの情報収集が必要です。
【変化③】学習評価の見直し
現行の3観点のうち「主体的に学習に取り組む態度」は、観点としては残りますが、評定には含めず、総合所見欄で一人一人の伸びを見る「個人内評価」に変わります。
また、有識者会議では「業者テストに偏った評価」を問題視する意見もありました。ただしこれは、さまざまな方法で多面的に評価すべきという趣旨と受け止めています。
一方で、単元テストなどで導入が進むCBTには、「思考・判断・表現」や記述式の問題を評価しにくいという限界があります。だからこそ、評価の一部を担う私たちの評価教材の精度と意義を、しっかり訴えていく必要があります。
●教科書制度の見直し
6月に学校教育法の改正法が成立し、デジタルも検定教科書になります(2030年度から小学校で使用開始)。
・線引きの明確化:教科書のQRコード先のコンテンツは、いまは扱いがあいまいです。協会はこの点を以前から指摘してきました。今回の改正で、教科書と教材の線引きが明確になる方向です。
・形態:文科省は、同じ内容の教科書が紙・デジタル・ハイブリッドの3形態で発行されて数が3倍になるわけではないと明言しました。教科・学年ごとの望ましい形態は、文科省の検討会議を経て、晩秋ごろに大臣指針として示される予定です。この検討会議には、日図協・全図協を代表して教育同人社の森達也社長が参画しています。
・現場の声:教育委員会向けの意向調査では「ハイブリッド」が圧倒的でした。特に小学校低・中学年では、紙を主とする回答が大半です。紙を主にデジタルを組み合わせる形は、まさに私たちの教材の形と同じです。
・協会の働きかけ:一部のEdTech企業が教科書会社と独占的に連携することや、教科書の広域採択に連動して教材まで決まってしまうことを防ぐため、次の3点を文科省に働きかけています。
-教科書と教材のデジタル間の適切な連携
-学校による主体的な教材選択の尊重
-準拠教材の制作スケジュールへの配慮
●最後に(事務局長所感)
「教師の主体的な教材採択」「紙とデジタルの適切な組み合わせ」「多様な教材活用による豊かな学び」。私たちが訴えてきたこの三つは、国の方針と完全に合致しています。
私たちの教材は、古い業界を守るためのものではなく、新しい学びを支える教育環境そのものです。今の課題は、業界だけで解決できるものではありません。協会では、文科省・教育委員会・議員への働きかけに加え、日本教材学会を通じて研究者や先生方とともに教材の価値を発信しています。教材士研修制度の基礎コース講座にも、「次期学習指導要領」「CBT」の特別講座を開設する予定です。
政策の流れは追い風です。ぜひ現場の声を協会にお寄せください。そして、教育委員会や学校、地域を巻き込みながら、一緒に声を上げていきましょう。
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<今後の予定>
・10月8日:加盟出版社 中学校営業部長会
・10月19日:加盟出版社 小学校営業部長会
・10月23日:北信越ブロック会議
・10月24日:北海道ブロック会議、東海ブロック会議、四国ブロック会議
・10月30日:東北ブロック会議、北関東ブロック会議、南関東ブロック会議、中国ブロック会議
・10月31日:近畿ブロック会議
・11月6日:九州ブロック会議
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〔3〕業界動向ピックアップ
・文部科学省「ミラメク」note 教科書へのデジタル活用で広がる『新しい学びのカタチ』
9月18日、文部科学省「ミラメク」noteにて、初等中等教育局の後藤教至教科書課長が、デジタル形態を含む新たな教科書について解説している記事が公開されています。
https://mext-gov.note.jp/n/n5e02dd7e8d84?fbclid=Iwc3NjcAUpTEdleHRuA2FlbQIxMQBwZG9mBWZkaWQWUPae8wkm1nXEe8r2-d8Z8fmKOiuDq3NydGMGYXBwX2lkCjY2Mjg1NjgzNzkAAR6CvyL_KCvh7YcVPuRcM9AtWIVduS_3mYMHYGhBuheSqpYbyczPJjSUnfBOhQ_aem_rsPIRjtuzQYbf00_t7lcVw
・教育課程企画特別部会 次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)
9月25日、教育課程企画特別部会で、「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ(案)」が示されました(資料1)。
前回の素案から国語や外国語など一部教科でAIを活用する際の留意点に関する記載が増えました。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/101/siryo/mext_00057.html
・令和8年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料【都道府県別】
9月30日、「都道府県・指定都市別データに基づく分析結果」について公表されました。
https://www.nier.go.jp/26chousakekkahoukoku/factsheet/prefecture_city.html
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〔4〕お知らせ
・2026年度教材士研修制度開講のご案内
今年度も8月3日より会員販売店と加盟出版社のみなさまを対象に開講いたしました。
開講期間は2027年6月30日までです。
講座内容の詳細、受講のお申し込みにつきましては協会ホームページの会員専用ページよりご参照ください。
◇◇Web発注システム「図書教材ネット」◇◇
発注業務のIT化、合理化をご検討されている販売店様に向けて、無償で提供しております。
下記よりお申し込みいただけます。
《Web発注システム「図書教材ネット」》
◇◇販売管理システム「全販システム」◇◇
全図協では、「図書教材ネット」と連動させた販売管理システム(名称:全販システム)を
運用しています。
下記よりお申し込みいただけます。
《販売店向け販売管理システム『全販システム』》
(全販システムのご利用には「図書教材ネット」のご登録が必要です)
