vol.223 英語教育の課題

一般社団法人日本図書教材協会副会長
星槎大学特任教授
新井 郁男

英語が小学校でも第五学年から教科として教えられることになった。学習指導要領では、教科としての外国語教育の目標として、「音声や文字、語彙、表現、文構造、言語の働きなどについて、日本語と外国語との違いに気付き、これらの知識を理解するとともに、(中略)話すこと、書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。」と規定されている。しかし、これまで見聞した限りでは、このような目標に従って英語の授業は行われてはいない。
外国語は数千あるが、言語学では形態論として、
① 膠着語
② 屈折語
③ 孤立語
に分類されている。日本語は膠着語、英語は屈折語である。具体的に、英語と日本語の違いについて、教育の観点から重要と思われる点のひとつは発音である。
英語の語尾は子音で終わるのに対して、日本語は母音で終わる、また、日本語には「r」という音は存在しない。
フランス語やドイツ語も英語と同じように屈折語にに属するが、現代の英語は16世紀以降に発達した新しい言語で、他の言語の影響を受けながら発達してきた。文法を修得しただけでは活用が難しい言語である。国際語となっている英語を早くから学ぶことは重要ではあるが、日本では日常生活において活用する場面はないのが現状である。そうした点をふまえて考えると、会話ができるようになるということよりも、英語を日本語と比較しながら教えるという学習指導要領で提起されていることこそ重要であろう。といっても現場の教師にとっては容易なことではないのではなかろうか。
ということで、当協会として日本語と比較しながら指導するための図書教材を作成したらどうであろうか。
これからの教材開発に期待する。

~図書教材新報vol.223(令和5年11月発行)巻頭言より~

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